ARGYLE SPORTS (アーガイルスポーツ)ウールソックス
開発ストーリー
※靴下工場の社長が作った「自分が履きたい靴下」
※ずり落ちない、ずれない、蒸れない、を目的に
※一日中、毎日でも履きたくなる靴下

 
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靴下工場を経営する私が靴下を履いていて不満に思っていることが3つあります。
その1.ずり落ちてくる
 仕事中や日常生活で靴下がふくらはぎからずり落ちてきて気になる。
 ずり落ちてきた靴下を上まで上げる→また下がってくる→また上げる・・の繰り返し。
 一体何回靴下を上げているのかを自前の靴下で測ったところ、20分に1回上げていました。もちろん靴下にもよりますが1日8時間着用で24回。その度に集中力が途切れている自分がいました。
その2.足がずれる(足にフィットしない)
 足のサイズに合う靴下を買ってきたにもかかわらず、大きすぎて靴下の中で足がずれている。気が付くとカカトの部分の生地が足首のあたりに上がってきたり、足底に入っていったりすることも。
その3.蒸れる
 夏、冬にかかわらず靴の中が汗でびっしょりになって湿った靴下をはいている時の気持ち悪さといったら・・。そして一日の仕事が終わって靴を脱いだ時の解放感と引き換えに体験するあの臭い。
 
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自分がこのように靴下に対して持っている不満や悩みを解消して「自分が履きたい靴下」を作りたい。そんな思いでこの企画がスタートしたのが数年前でした。
 
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不満点や悩みを解消するために考えたこと
1.ずり落ちない
 一般的に売られている靴下を色々と履いてみると、履き口がふくらはぎの途中までくる丈、つまりふくらはぎの下向きの角度がきつい所で止まっているものが多いということが分かりました。そのため靴下を履いている時に下に向かっての力が発生し、ずり落ちるのではないかと考え靴下の丈を長くすることにしました。丈はふくらはぎを上り切ったところまで履き口が来るように設計しました。また、ふくらはぎ部分の形状に添って伸縮性の高いポリウレタンを挿入しました。このことで履き口の締め付けをそれ程強くせずに位置を保つことができました。

2.ずれない(足にフィットする)
 靴下はニットのためどの靴下でもある程度は伸縮性があり足にフィットするような構造になっています。しかし足の周りの生地の幅が広すぎたりするとフィット性が足りず靴下の中で足がずれて不快感につながります。それを解消するために、ここにも伸縮性の高いポリウレタンを挿入したサポート編みをすることで足の周りの生地の幅を保った上で足にフィットする生地を実現することができました。

3.蒸れない
 天然繊維、化学繊維、様々な素材を試しましたが行きついたのはウールでした。
ウールの特長は目的としている機能にまさにピッタリでした。一つ目は湿気を吸って吐き出す「吸放湿性」の高さによる調湿機能。靴下用の素材として一般的な綿は吸湿性には優れていますが、吸った水分を吐き出す力は弱いため繊維が水分を保持してしまいます。そのため肌に水分が触れることになり体を冷やすことになります。ウールは湿気を吸って繊維の中に閉じ込めてしまうので、肌に接する表面はサラッとしています。そして閉じ込めた水分を外に発散します。二つ目は空気を蓄える能力の高さ。冬は暖かい空気を蓄え、夏は放湿作用による気化熱でサラッと涼しい空気を蓄えます。こういった特長からウールは「天然のエアコン」と呼ばれることもあります。
 
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考えたことを形にするために工夫したこと
 
1.ずり落ちない
 試行錯誤の結果、一般的な通常丈の靴下より6cm長くしました(*)。さらに、ふくらはぎの形状に添うように伸縮性の高いポリウレタンを挿入しました。下から上に向かって絞り込む圧力を強⇒弱と段階的に変化させているので、靴下全体をきつく絞り込まなくても靴下の位置を保持できます。
 (*紳士サイズの場合。靴下の寸法基準はそれぞれのブランド独自で決まっていますので、あくまでも一般に売られている靴下全体を想定しています)

  
2.ずれない(足にフィットする)
足底全体に伸縮性の高いポリウレタンを挿入したサポート編み
             
3.蒸れない
 前項で理想的な繊維としてたどり着いたウールですが、弱点もあります。それは摩擦に対する耐久性が強くないこと。足の汗を吸った状態で靴の中や床の上で体重が乗った状態でこすりつけられる・・。これは靴下の素材としては致命的な弱点です。そんな理想と弱点のジレンマを抱えていたときに探し出したのが「NIKKE AXIO(ニッケ アクシオ)」という名前のウール糸。ニッケは国内でも有数の歴史あるウール糸メーカーです。「NIKKE AXIO」はウールの中でも繊維が細くしなやかなオーストラリア産「メリノウール」を使用しつつウールの弱点である耐久性を高めるために、メリノウールと強度に優れたフィラメント糸を特殊な紡績方法で生産されたハイブリッド素材です。この素材を使ってこの製品は製造されています。
                                   
 

4.パイル編みによる効果
 足底の肌側に当たる生地を当社が従来から得意とするパイル編みにすることで編み糸のメリノウール糸が常に肌に触れます。そのため肌触りがよく汗を吸収しやすくなります。またパイル編みによるクッション性により保温性が高くなり、また足元からの衝撃を和らげ、長時間の着用でも足にやさしいです。
           
5.カカト上部の補強糸
 カカト上部のアキレス腱部分に補強糸として高強度ナイロンを挿入しています。これによりシューズの履き口との摩擦によりカカト上部分の生地が傷むのを防ぎます。
           
6.靴下全体の補強
 靴下全体の裏糸にポリエステル糸を補強糸として挿入し、強度を高めています。
 
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配色はカジュアル〜オフィススタイルに合わせられるモノトーンからアウトドアテイストの遊び心のあるカカト・つま先カラー切り替えのツートーンの2種類。シーンに応じて好きな配色を選んでいただけます。
         
 



一日中でも履いていられる靴下。そして目的を問わず毎日でも履ける靴下。
ビジネス、アウトドア、おうち時間に、オンもオフもこの一足でカバーします。

     
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価値を感じられる靴下を消費者に直接届けたい
 
ウネビ株式会社は奈良県橿原市で約80年前に靴下製造を始めて以来、一貫してスポーツソックスを生産し、大手ブランドメーカーを中心に納品してきました。最近は海外製の値ごろな靴下が当然のように市場を席巻し、価格では到底日本製は太刀打ちできない状況に面しています。それに対応するためにコスト重視のものづくりにならざるを得ず、良いとは判っていてもコストの掛かる高機能機素材、特殊素材は提案から外し、手間が掛かるものづくりからは泣く泣く背を向けることが多くなってきました。そこで自分が一消費者となり本当に履きたい素材を使い、履いて満足を感じる靴下を作り消費者に直接届けたいと思うようになりました。




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製造現場の技術が製品を左右する
 
良い素材、高機能素材だから靴下を編みやすいということありません。逆にそういった素材は「クセが強く」靴下を編むのにはふさわしくないということが数多くあります。全く編めない素材もあります。そのような困ったときに頼りになるのが現場の力です。製造現場の技術者は編機のプロ、その素材に適した編み方、編機の調整方法の引き出しを沢山持っています。時には編機に大幅に改造を加えてまで靴下の形にしようと努力してくれることもあります。また縫製や検品などの後工程の視点からちょっとした生地の不具合や改善点などが製造現場にフィードバックされることもあり、今回の企画を通じて製造現場を始めとした全工程の底力を再認識することになりました。
   


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今後に向けて
 
当社は製造現場だけでなく後工程も保有しており社内で靴下の編み立てから完成品まで一貫して生産することができます。その強みを活かしてどこにもない「履きたいと思える靴下」、「従業員全員が誇りをもって作れる靴下」を今後皆様に提案してゆきたいと考えています。どうか宜しくお願いします。
 

                   




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